山 行 報 告
2013/9/26〜28   北ア・剱岳〜北方稜線         メンバ:駒崎、新村  記録:新村 


黒部ダム 剣沢キャンプ場 前剱手前大岩 大岩での日の出 後立山方面
剱岳 池ノ谷ガリー 小窓ノ王発射台 小窓雪渓 下から望む雪渓
朝焼け 池ノ平山 裏剱 裏剱と池ノ平山 内蔵助平



【コースタイム】

9月26日(木)霧ときどき霧雨
扇沢7:30―室堂9:30〜剱沢キャンプ場12:00

9月27日(金)快晴
剱沢キャンプ場4:05〜前剱手前の大岩6:00(8:00)〜剱岳9:30〜池ノ谷乗越〜小窓〜池の平小屋15:30

9月28日(土)快晴
池の平小屋5:50〜仙人峠〜ハシゴ谷乗越〜内蔵助平〜黒四ダム14:05―扇沢14:21


【記 録】

9月26日(木)
 一番のトロリーバスにちょうど間に合うように扇沢到着。ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスを乗り継ぎ、室堂到着。あっという間だけど、出発前に『黒部の太陽』を観てきたので、トンネルは感慨深かった。

 室堂は、ガスの中、一瞬の晴れ間が見えるような天気。平日でも多い観光客とすれ違いながら、雷鳥沢キャンプ場を目指す。剱岳のカニのヨコバイが恐かったというお兄さんと少し話して、剱沢キャンプ場を目指す。

 この日、剱沢キャンプ場の受付は終了したので管理料はいらないとのこと。それでも水場とトイレが使えるのは有難い。少し離れた小屋までビールを買いに行き、明日に備えて早めに就寝。夜は一時みぞれが降り、気温が一気に冷え込んだ。

9月27日(金)
 2時起床4時出発。剱山荘までの道は、空に星がいっぱい。月に照らされながら剱岳を目指す。

 前剱手前の大岩で迎えた日の出にシャッターを切り、カメラをしまおうとしたとき、車のカギを入れた財布がないことに気がつく。ザックの中身を全部出してみるが、やはりない。駒崎さんに待っていてもらい、剱沢キャンプ場まで空身で財布をとりに戻る。

 約2時間。キャンプ場で財布がみつかったからよかったものの、駒崎さんを寒い中待たせていまい、申し訳なかった。駒崎さん、ごめんなさい。改めて、剱岳山頂を目指す。

 前剱から本峰までは、意外と時間がかかった。山頂から後立山連峰、八ツ峰を拝んで、いざ、北方稜線へ。

 長次郎のコルまでは踏み跡を辿るが、長次郎の頭を回りこむあたりから踏み跡は不明瞭になり、足場を確認しながら長次郎谷側を進む。マーキングはなく(みつけられず?)、ガスに巻かれたらルートファインディングが困難だと感じた。

 池ノ谷乗越で、反対方向から来た2人パーティーと出会う。先には、三ノ窓あたりを進む2人パーティーが見える。

 池ノ谷ガリーを恐る恐る下り、三ノ窓到着。三ノ窓への出口には、赤テープがついていた。

 小窓王の発射台は見た目より難しくない。登りきると、踏み跡に沿って下っていく。150m程下り、そこから稜線に向かって斜上する途中で雪渓が現れる。5m程の雪渓だが、急なので、アイゼンをつけてトラバースする。もう一つの雪渓は消えていた。

 小窓雪渓は、傾斜が緩やかなので、アイゼンなしでザクザク下っていく。記録通り、右岸から落ちる2番目の滝の手前で、左側の岩に立派なペンキ印を発見。旧鉱山道に入っていく。

 池平山までが本来の北方稜線らしく、そちらに向かっていた先行パーティーはまだ着いていないかなと話しているうちに池の平小屋に到着。パラソルにベンチで日光浴している小屋番の姿が、山ではなく海みたいでおかしかった。

 2時間ロスのトラブルがあったものの、無風快晴の天気に恵まれ、無事、北方稜線を通過できた。今日もビールと焼酎で乾杯。空には天の川がきれいに見えた。

9月28日(土)
 忘れ物がないか確認して6時前出発。仙人峠で裏剱を写真に収める。

 小窓雪渓、三ノ窓雪渓を眺めながら、仙人新道を下っていく。どこまでつながっているのか、雪渓の末端は見えなかった。

 内蔵助平を過ぎると、黒部の巨人、丸山東壁が現れる。ルートを駒崎さんに教えてもらい、見上げるが、とても登れそうには見えなかった。

 内蔵助谷出合で休憩して、黒部川に出合う。黒部川は初めてで、迫力に圧倒されて、見入ってしまう。川沿いの丸木橋は毎年かけ替えるそうで、雪崩の影響か、以前の橋が対岸に飛ばされていた。

 ダムからの放水で飛んできたミストを浴びながら、対岸へと橋を渡る。13時45分。ここからは時間との闘い。14時5分のトロリーバスに間に合うため、全力を出してダムまで上がる。最後はトンネルを走って、なんとか分乗。

 観光客で満員のトロリーバスで息を整えているうちに、扇沢に到着。帰りはあっという間だった。

 名残惜しいけれど、次は来年の高熱隧道かな。黒部は魅力がいっぱいある。